Concept
コンセプト

神戸迎賓館の想い
洋館に刻まれた、おもてなしの精神。
大正8年、賓客をもてなすために築かれた、由緒ある迎賓館。
異国文化と日本の美が交差する神戸・須磨の丘に佇むこの洋館は、時の流れとともに磨かれた風格と、四季折々の庭園美を今に伝えます。
国家要人を迎えた歴史にふさわしく、私たちはこの地で、格式と品格を備えたおもてなしを紡ぎ続けてまいります。
HISTORY
賓客を迎えるために建てられた、神戸社交界の象徴。
1919年(大正8年)、神戸を拠点に活躍した貿易商・西尾類蔵氏によって、神戸・須磨の地に邸宅が誕生します。
当時の須磨は、武庫離宮(現・須磨離宮公園)の造営や鉄道の開通により別荘地として開発が進んでおり、西尾氏はこの地を迎賓の場にふさわしいと考えました。
設計を手掛けたのは初代通天閣で知られる建築家・設楽貞雄氏で、随所に当時の最先端の意匠を取り入れています。
邸宅は国内外の賓客をもてなす社交場となり、やがて神戸社交界の象徴として知られるようになりました。戦後にはGHQによる接収などの激動を経験しますが、その後も丁寧に保存され続け、2010年(平成22年)には兵庫県指定重要有形文化財として認定されています。
FACILITY
大正モダニズムが息づく、稀少な建築美
神戸迎賓館は、セセッション様式を基調に、アール・ヌーヴォーの流れを汲んだ大正モダニズム建築の秀逸な例とされる洋館です。曲線と直線が織りなす重厚な外観や、趣ある天井、繊細なステンドグラスの窓辺など、随所に芸術性の高い意匠が施されています。館内には、豪華絢爛な社交文化を今に伝える「風格の間」や大階段などが設えられ、当時の建築美を体感いただけます。
敷地内には、主屋をはじめ、真珠邸(あずまや)、松風閣(日本家屋)、馬小屋、石炭庫の5棟が国登録有形文化財として保存されており、建築単体としての美しさだけでなく、庭園との調和や景観全体の統一感も高く評価されています。格式と美意識を兼ね備えたこの空間は、今も多くの人々を魅了し続けています。